「レイジ……大丈夫?」
「あぁ。それほど深くはない」
 零児はシャツをまくりあげ、傷を確認する。
 わき腹に爪が食い込んだ跡があるが確かにそれほど深くはなさそうだ。
 だが、血はまだ流れ続けている。
「ごめんなさい」
「いや。リリスに怪我が無くて重畳。怪我をされたら俺が探しに来た意味がないからな」
 零児はリリスの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「ごめんなさい」
 もう一度の謝罪の言葉。
 リリスは零児に近づき、怪我をしたわき腹のところに顔を近づける。
「リリス?」
 ペロ。
「っ」
 傷口に舌を這わせるリリス。
 傷口の周りについた血を全て舐めとるように。
「早く……治って」
 そう呟きながら、何度も何度もソコを舐める。
「リリス。もういい。大丈夫だ……さぁ、みんなのところに戻ろう」
 零児がリリスを放し、森の出口に向かって歩き出す。
「……リリス」
 リリスの手は零児のズボンのポケットを掴んでいた。
 歩いて行かせないように。
「レイジ。私、レイジが好き」
「俺は」
「レイジが小牟を好きなのは知ってるよ。でも、でも私」
 リリスが零児を抱きつく。
「俺は誰も好きにならない。小牟もただのパートナーなだけだ」
「……いいよ。私のこと好きになってくれなくても。でも、今だけ……抱きしめて。そうすれば、もっと頑張れるから」
 普段の元気なリリスからは想像できないような弱々しいリリス。
 いや、零児だけは昨夜のリリスもこんな感じだったのを知っている。
 寂しがりで一人で居るのが嫌いで誰よりも仲間を必要としている儚い少女。
「これから苦しくなるかもしれないぞ」
「大丈夫。私の気持ちを……知ってもらえたから」
 涙声。
 リリスの涙が肌を露出している零児の背中に感じられる。
 零児が振り向き、リリスを抱きしめる。
「ぁ……ありがとう」
 お互いの体温を確かめあうようにそれぞれの肌をあわせる。
「ぁ…んっ」
 零児がリリスの顔を自分の方に向け、口付ける。
「えへへ。レイジ……大好きだよ」
 愛らしく無垢な笑顔。
「ぁっ」
 リリスの腹部に感じられる零児の膨らみ。
「すまない」
「ふふ。私の身体で感じてくれるんだ。嬉しいな……いいよ。しても」
 リリスの服は細かく別れ蝙蝠に変化する。
 そして、蝙蝠が飛び立ったあと、そこに残ったのは生まれたままの姿のリリス。
「んっ。あんまりじっと見ないで……モリガンみたく胸とか無いし」
「関係ない」
 零児がその場に立ち膝をつき、その胸に口付ける。
「ぁっ」
 小さな胸は紅潮してきて、白い肌がそれをより一層引き立たせている。
「小さい分。敏感なようだな」
「ばかぁ」
 零児の手と舌がリリスの乳首を刺激するたびに、彼女の身体はビクンと震える。
「レイジ。最後まで……してね」

「んっ。ぁっっ」
 森の中にリリスの喘ぎが響き渡る。
 零児の指は今はリリスの秘部を掻き回していた。
「ゃぁ、くぅん」
 零児の指が動かされるたびに、リリスの身体が小刻みに震える。
 小さい秘部は愛液で濡れ、足元の土を濡らしていた。
「ぁっっ。ぃゃぁぁぁ…………はぁ…はぁ……」
 一際大きな声と攣りそうなくらいに張った背。
 初めての絶頂を迎え零児に力なくうなだれる。
「あは。レイジって、すごく上手なんだね。私初めてなのに……それとも夢魔、だからかな」
「大丈夫。リリスは可愛い一人の女の子だ」
「ありがとう。レイジって本当に優しいね」
 零児はリリスを抱き上げ立ち上がる。
 大木に寄りかかるように背を預け腰を下ろす。
「レイジ。今度は私がしてあげるね」
 リリスが零児のズボンのジッパーを下ろす。
 すでに、興奮でいきり立った零児の男根が外気にさらされる。
「うあ。大きい……こんな大きいの私の中に入るのかな」
 リリスがソレに手を当てると、ソレは一度ビクンと震える。
「あは。何か可愛いかも」
 ゆっくりと零児の男根を咥える。
 リリスの口にはソレは大きすぎるため、先が少しだけ入る程度だ。
 だが、一生懸命に手でこすり、先を舌でチロチロと舐める。
「んっ……ちゅ…んむ、む…ちゃっ……」
 徐々にリリスの動きも大胆になり、男根全体を余すと来なく口で咥え、舐め回す。
「ぐっ」
 零児の顔が一瞬ゆがむと同時に、男根の先から真っ白な精液が放たれる。
「ぁ……んっ」
 リリスの喉がコクリコクリと動く。
 零児から放たれた濃い精液を一滴残らず全て飲み干してしまった。
「ふぅ。えへへ、いっぱい感じてくれたんだね。嬉しいな」
 無邪気に微笑むリリス。
 そのリリスの身体を掴み、抱き上げる。
「リリス」
「うん。いいよ」
 すでに復活している男根の上にリリスの秘部が覆いかぶさるように降りてくる。
「ぁっ……」
「痛いか?」
「うん。でも、大丈夫……これくらいなら……あぁぁぁ」
 破瓜の痛みがリリスを襲う。
 鮮血が滴り落ち、それが愛液と混ざり合い零児の足へと滴り落ちる。
 ゆっくりと。零児の全てを飲み込むリリス。
「んっ……全部入ったね」
「あぁ。リリス。平気か?」
「うん。最初は痛かったけど、今はすごく気持ちがいいの」
 零児がリリスの腰を掴み、ゆっくりと上下させる。
「ぁぁっ。れ、レイジ。熱いよ、熱くて…すごく気持ちいいよぉ」
 零児の動きが徐々に速まる。
 リリスの方も零児の肩に手を置き、自分の力で腰を動かし始める。
 心なしか、リリスの胸が膨らみ、体つきが少女から女性のやわらかさと丸みを帯びていくように見て取れる。
「っぅ」
 同時に、徐々に零児の顔に汗が浮かぶ。
 運動してでの汗ではない。
 真っ青な顔色から察するに冷や汗のようだ。
「レイジ!?」
 零児の異変に気づき、リリスが身体の動きを止めようとする。
 しかし、リリスの意思とは関係なく、零児の身体を貪るように犯し続ける。
「ゃぁぁ!止まんないよ。ダメ、レイジがレイジが死んじゃう!!」
 だが、徐々にリリスの腰の動きは激しくなり、零児の補助無しで自分の快楽だけが高まってゆく。
「んぁぁっ、ぁぁっ、ダメ……あぁっ…んっっ……ぃゃぁぁぁぁ」
「ぐっぅ」
 リリスの膣が零児の男根を締め付ける。
 同時にリリスの膣内に吐き出される精液。
 それは子宮の中を満遍なくあふれさせる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 リリスが零児から身体をどける。
 秘部からは大量の精液が零れ落ちる。
「ぁっ。レイジ!レイジ!!」
 リリスが零児の顔を覗き込み声をかける。
 顔色も悪く息も絶え絶えだが、まだ生きてはいる。
「レイジ。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
 零児の胸の上で涙を流すリリス。
 零児を愛する気持ちよりも、夢魔としての本能が零児の精を吸い出していた。
「私。こんなつもりじゃ。ごめんなさい。ごめんなさい」
「大丈夫だ。少し休めば元に戻る」
 零児は顔を上げ、リリスの頭を撫でる。
「でも」
「言っただろ。リリスは一人の女の子だ。夢魔なんかじゃないさ」
 リリスを抱きしめる。
 零児の心臓の鼓動をリリスは感じ取る。
 暖かく力強く優しい鼓動。
 リリスが零児から身体を引き離す。
「リリス?」
「でも、レイジを殺そうとしてしまったのは本当のことだもん。レイジは普通の人よりも生命力が強かったから死ななかっただけ」
 立ち上がると、使い魔の蝙蝠がリリスを包みこみ普段のリリスの姿に戻る。
「ごめんなさい」
 大粒の涙と共に跳び上がるリリス。
「!?……レイジ?ウソ、だって。いくらレイジでもまだ立ち上がることなんて出来ないはずなのに」
 跳び上がったリリスの腕を掴む零児。
 よろめく身体を大木で支え、だがその手は力強くリリスを掴んでいた。
「守りたいと感じた少女が涙を流しながら立ちさるのを見ていられなくてね」
「ダメ!離して!!じゃないと、私」
「俺は絶対に死なない。リリス。君を守り続ける」
「ダメだよ……それ以上優しくされたら…私……本当に離れられなくなっちゃうよ」
「離れなくていい。いや、俺が離さない」
 力の抜けたリリスを一気に引き寄せる。
 その勢いでバランスを崩しその場に崩れるが、腕の中にはがっちりとリリスを抱き締めていた。
「リリス」
「レイジ……レイジィィ」
 零児の胸の中で泣くリリス。
 今の彼女を誰が悪魔と思うだろうか。
 一人の男性を想い想われ、そして、泣き濡れる一人の少女を。
「リリス。愛している」
「ぁ」
 零児とリリスの唇が重なり合う。
 お互いがお互いを必要としていることを確認するその方法として。
「えへへ。レイジ!私もレイジが大好きだよ!!誰よりも一番愛してるんだからね」




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