「んぅ。ギンタぁ」
ベッドの中で小雪の身体が小さく動く。
パジャマのズボンを下ろし、自らの指で何度も何度も絶頂まで上りつめる。
「はぁ……はぁ……ギンタとお話したいよぉ。あの、スノウって子を通してじゃなくて、本当にギンタと」
涙が枕を濡らす。
毎晩スノウを通して見るメルヘブンの夢。
だが、最近では段々とギンタの中から自分が消えていくのではないかという焦燥感と恐怖にかられていた。
「寝るのが怖いよぉ。ギンタぁ。助けてよぉ」
そして、もっとも彼女が恐れているのはギンタとスノウが結ばれること。
小雪が見ている中でギンタとスノウが結ばれたら。そう考えるだけで心が締め付けられる。
だが、睡魔に勝てるはずも無く、今日も彼女はメルヘブンの世界へと落ちるのだった。
(いたっ)
急に小雪の股間に痛みが走る。
今まではスノウと言う人物を見てメルヘブンを見ていただけで、視覚以外の感覚は無かった。
(でも、どうして)
徐々に彼女の視覚がはっきりとしてくる。
すぐ目の前に自分が心から大事にしているギンタの顔が。
(ギ、ギンタ!?え、えぇぇ!?)
「スノウ。すげぇ、なんか、今日は」
「うん。私も、今までよりもずっとずっと感じるの」
二人っきりの部屋。ベッドの上にはギンタとスノウ。
(ウソ……ウソ……だよね、ギンタ)
ギンタとスノウはその行為に没頭していた。
そして、その会話からは二人がすでに何度も行為を行っているのがわかる。
(いや。いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
小雪が目を覚ます。
電気のついていない自分の部屋。
「!?」
シーツが真っ赤に染まっている。
生理ではない。彼女の純潔が破れた証。
「………ギンタ。もう、私……耐えられないよ」
小雪の瞳から涙が零れ落ちた。