「ん〜!海はやっぱりいいなぁ」
 青い海。青い空。日焼けした美少女。
 ここは美浜家別荘の側の海岸。
 他のメンバーよりも少し遅れて海岸にやってきた神楽は水平線を眺めて伸びをする。
「か、神楽さん大変です〜」
「どうかしたか。ちよちゃん?」
 その神楽の元にちよちゃんが駆けてくる。
「と、ともちゃんが溺れてるんです〜」
「なにぃ!?榊や先生たちは」
「誰も、近くに、いなくて・・・それで、神楽さんが来たから」
 息を切らせながらちよが神楽の側まで走ってくる。
「どこだ!?」
「あの、ブイの側です」
「あそこであがってる水しぶきか。わかった。ちよちゃんは先生たちを探してきてくれ」
「はい。お願いします」
 神楽は海岸を駆けてゆく。
「うまくいったか?」
「はい。神楽さん単純ですから」
「ちよちゃん演技上手やなぁ」
「・・・なにか騙しているようで・・・心苦しい」
 すぐ側の草むらから暦と榊と大阪が出てくる。
「いいんだよ。友達のタメだ。さ、私たちはこっちから見ていよう」

「はぁ、はぁ。まってろよ智!今行くからな」
 神楽は海に飛び込む。
 先ほどまで高くあがっていた水しぶきは徐々に低くなる。
 智の動きが鈍くなっているのだろう。
「智!!」
 神楽が智を後ろから抱きかかえる。
 智はぐったりとしていて、動きを見せない。
「くそ!」
 神楽は急ぎながらも細心の注意を払って智を海岸まで運ぶ。
 砂浜に仰向けに寝かされる智。
「智!智!!しっかりしろ!!・・・ダメだ、意識が無い」
 神楽は智のあごを上げ、気道を確保する。
 そして、鼻をつまみ口づける。
 お手本のような人工呼吸だった。ここまでは。
「んぐ!?」
 急に智の腕が伸び、神楽の頭を抱く
 そして、口が離れないように固定し、舌を絡ませる。
「んっ・・・んむぅ・・・んっんっ」
 ぎこちないディープキス。
 智が腕と口を離す。
 神楽は心ここにあらずといった感じで呆けている。
「よっと。神楽の唇ゲット!!」
 智が起き上がり、誰にともなくブイサインをする。
「な、何をするんだ!!お前は!!」
 智の声で正気を取り戻した神楽が智に向かって怒鳴る。
「何って、ディープキス」
「それはわかってる!!じゃなくて、なんでしたんだよ」
「ん〜〜〜〜したかったからかな」
 悪びれもなく智が言う。
「したかったからって」
「だって、神楽可愛いんだもん」
「ば!馬鹿いうな」
「んふふ。紅くなっちゃって・・・かわいいなぁ」
「や、やめろ。っぅ」
 智が神楽の耳たぶを甘噛みする。
 とたんに神楽の体から力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「お?ひょっとして、弱点かな?」
「そ、そんなこと。あ、ひゃっ。そ。そこはダメだ」
 智の手が、胸と秘部に伸びる。
「乳首も立ってるし・・・ここも海水以外のもので濡れてるよ」
「それは・・・あんなことされたら・・・」

「あの〜・・・よみさん」
「なんだ?」
 草むらの影から2人を見守る4人組。
「ともちゃんは何をしてるんですか?」
「あ、ちよちゃん。それは私がおしえたる・・・実践でな」




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