「ハァイ」
 俺の耳に生暖かい息が吹きかけられる。
「こら!ミシェル。それは止めろと言ってるだろ」
「んふふ。おはよ」
 朝からハイテンションなやつだ。
 こちとら、眠いと言うのに。
「あ、そういえば。あの女の質問はなんだったんだ?」
「え?あれ。あぁ。まぁ話してもいいかな」
 こいつにしては珍しく歯切れが悪い。
 なんか、言うと都合がわることでもあるのか?
「メイね。カズキのことが気になってたのよ」
「へ?」
「だけど、ほら、恋人いるって言ったから。身を引くって」
 あぁ、そういやぁそんな質問もあったっけ?
 けど、全然、俺のことを気にしてる風には見えなかったが。
「ねぇ、それより。カズキの恋人の女の子の写真見せて」
「え?あぁ」
 俺は写真を取り出し、見せる。
 昨日のとは違って、これは電脳部の1年が写ったやつだ。
「へぇ。あ、この子だよね。やっぱりかわいいなぁ」
「そうか?」
 まぁ、写真には性格は写らないしな。
 俺は性格も可愛いと思うけど。
「隣の子も可愛いわね」
「あぁ、雪峰か」
 確かにあいつも可愛い部類にははいるだろう。
 けど、性格はメイに負けず劣らず、きつい時があるからな。
 お?なんかミシェルの顔が。
「うふふ。美味しそう」
 !?
 ま、まさかミシェルって。
「お前、そっちの趣味か?」
「そっちって」
「だから女の子の方が好きって言う」
「そうよ」
 そうよって。アメリカの同性愛者は日本よりは多いとは聞いていたけど。
 すぐ目の前にいるとは。
「ねぇ、この子達っていつか遊びに来るの?」
「え!?あ〜、どうだろう」
 メイは来るかもしれないけど、雪峰は来ないかな。
「もし来たら絶対に紹介してね〜」
 絶対にしない。
 俺はそう心に決めながら校舎に入った。

 
 

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