週刊ウィンリィちゃん 第5号:運動会だよ全員集合〜完結編・後編〜


『騎馬戦に参加される選手は、所定の位置にお願いします』
 エドチームからはエド、アル、ロイ、ラッセルの4人。
 もちろん頭になるのはエドだ。
「よいか、ルールを確認するぞ」
 ロイの言葉に残りの3人が頷く。
「鋼のが地面に落ちなければ私たちの勝ちだ。そして、私たちは、変則的な騎馬を組む。よいな」
 ホムンクルスチームからは、ラース、エンヴィー、グリード、グラトニー。
 頭はラース。
「つうかさ、ボクとグリードじゃ、全然身長違うじゃん」
「お前は誰かに変身すればバランス取れるだろ。あいつら以上に俺らのがバランスいいはずだぞ」

 それぞれのチームが騎馬を組み、試合場に入る。
 ホムンクルスたちは、グラトニーを前面におき、後ろにグリードと変身したエンヴィーだ。
「おい!!アレはいいのか!!」
 エンヴィーが叫ぶ。
 彼が見たのはエドたちの騎馬。
 エドはアルに肩車され、ラッセルとロイはエドの足に片手を当てているだけだ。
「えっと、ルール上・・・下の人は上の人に接触していればいいので」
「ふん。その程度のことにも気付かないのか。低脳だな」
 ロイが必要以上に挑発的な眼でエンヴィーを見る。
「く・・・てめぇ・・・殺す」
『そ、それでは、騎馬戦を開始します!!』
 まずラッセルが動く。
 あらかじめ足元に書いておいた練成陣を使用して、植物を練成。
 それがホムンクルスたちに向かってゆく。
「おいおい。この程度で俺たちに勝てるとおもってるのか?グラトニー」
「うっほ〜、くいもの〜」
 巨大な木の根をグラトニーが口に含み始める。
 明らかにグラトニーよりも巨大な塊が徐々に小さくなってゆく。
 パチン。
 ロイが指をはじく。
 すると、グラトニーの口につながっていた木の根が一気に燃える。
「おい、グラトニー!吐き出せ」
 グリードが叫ぶが時すでに遅し。
 グラトニーは口の中を火炎で焼かれその場に倒れる。
 これで死なないのはさすがにホムンクルスといったところだろうか。
「お前ら容赦ねぇな」
「ふっ。貴様らに手加減などしたらこっちがやられかねん」
 グラトニー離脱。
「ち、マジでぶっ殺す」
「あぁあ、なに熱くなってんのさ。ボクは一抜けた・・・ってわけで」
 エンヴィーは、ラースをグリードに渡すと一気に駆け出す。
「もう飽きちゃったんだよね。死んで見せてよ」
「ちっ」
 ロイが後方に飛んで避ける。
 もちろん、エドの足をつかんだままだ。
「いてててて!大佐!足が、足がはずれる!!」
 エンヴィーの鋭い攻撃を避けているロイにそんな声が聞こえるはずも無く。
 エドの足をつかんだまま、縦横無尽にその場で動く。
「・・・くぅ、いてて。ラッセル!グリードとラースを狙え!!木の槍でもなんでもいいから」
「ぉ、おう」
 エドが痛みに耐えながらラッセルに号令を出す。
 ラッセルは先ほど使用した練成陣を再度使用し、木の槍を練成する。
 そして、それはグリードに向かって飛んでいく。
「・・・」
「あ」
 グリードに当たって砕ける槍。
 しかし、グリードはびくともしない。
 元々ホムンクルス自体が強固であるとも言えるが、グリードは最強の盾といわれている男。
 槍が当たった部分だけを硬質化したのだ。
「俺に攻撃したな?」
「へ?・・・あ・・・あはは」
 グリードが睨む。
 ラッセルは完全に逃げ腰だ。
 エドチーム絶体絶命のピンチ。
「ふわぁぁぁ」
「チャンス!アル、頭借りるぞ」
 退屈になって大きなあくびをするラース。
 それを見たエドは。
「え?え??兄さん何を」
「これでおわりだぁぁぁぁ!!」
 エドは自分の手元にあったアルの頭を取ってラースに向かって投げつける。
「がふっ」
 クリーンヒット。
「あっ」
 グリードが気づいた時にはすでに遅かった。
 ゆっくりとラースの体が傾き、地面に落ちる。
「よっしゃぁぁ!」

「ちっ、納得いかねぇ」
 結局勝負はエドチームの勝ちとなった。
「まぁまぁ。いいんじゃない?お遊びなんだし」
「はら・・・へった〜」
「それじゃあ・・・また会いましょう」
 来たときと同じように姿を一瞬で消すホムンクルスたち。
「・・・はぁ。疲れた」
「お疲れ、エド」
 エドにジュースを渡すウィンリィ。
「はは、ありがとう」
「でもあの人たち、何しに来たんだろうね」
「さぁな。まぁ、ヤツらの考えることはよくわからないからな」
「大佐。戻って書類の整理でも」
 リザに引きづられるロイ。
「じゃあ、僕も行くぞ。まったく、もうお前らにかかわるのはこりごりだ!!」
 ラッセルも自分の弟のところに戻る。
「じゃあ、エド。私たちも帰ろうか」
「あぁ」
「あ、兄さん、待ってよ。トロフィーとか置いたままだよ」
「馬鹿!んなもん持って旅が出来るか。そのまま置いておけ」


エドワード   「・・・落ちは?」
アルフォンス  「無いんじゃない?」
エドワード   「これだけ待たせてか?」
アルフォンス  「待っててくれる人がいればだけどね」
エドワード   「はぁ・・・適当だな、おい」

次回予告
 ・・・・・・・
ウィンリィ   「次回予告なんてあるわけないでしょ!!」
エドワード   「うあ、怒ってるし」
アルフォンス  「あはは。はぁ」
エドワード   「まぁ、いいんじゃねぇか」
ウィンリィ   「よくないわよ。はぁ、きっと私たちはこのまま忘れられる運命なのよ」
アルフォンス  「大丈夫だよ。きっと」
エドワード   「無理だな」
ウィンリィ   「うわぁぁぁぁん・・・いいもん、絶対復活してやるんだから!!」
エドワード   「ってわけで・・・またな!(H17・04・18現在)」
 
 

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